災害時の長野県の動き・その1

災害により被害が発生したとき、行政は緊急対応をすると同時に、復旧に向けて動きだす。では具体的には、どんな動きをするのだろうか?――令和元年東日本台風(台風19号)のときの「長野県」の動きを追体験することで、災害時の県の仕事を見てみよう。

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まずは2019年の10月12日に上陸した台風19号による被害が発生してすぐだ。県では直後から、正確な情報を得るために被害調査を実施した。
同時に、直後から災害対応の方針を協議。調査や応急の対応状況を受けて、さらにどうしていくか、具体的に改善を重ねた。台風19号の被害は長野県の多くの場所に広がっていたため、各地の対応を検討する必要があった。
実際の復旧にも動いた。写真は堤防が決壊し被害の大きかった長野市穂保地区。10月16日には現場に入り、長野県建設業協会と連携して復旧を開始した。写真は現場と作業確認のための打ち合わせを実施しているところで、この連携によって約1週間後には地域から泥を撤去することに成功した。
大きな被害となったため、11月4日には国土交通大臣が視察に被災地を訪れている。県ではこの際、国が代わって工事する県や市町村の大規模な被災箇所の早期復旧を要請。あわせて県や市町村が行う復旧工事への財政的な支援も要請した。
復旧に向け、国費を使い、事業を進めていく必要がある。その災害査定(国が被害の程度を確認し、復旧工事に必要な費用が適正なものかを調べること)のため、被災箇所に赴き、県測量設計業協会らと連携して調査を実施した。この写真は11月15日のときの様子だ。
そして災害査定の現場説明。ちなみに災害査定は、被災から2カ月を目安に実施されるもので、それまでに調査測量、設計が行われる。この時も測量設計業協会の会員企業など、民間との連携のもとで行い、災害査定を進めていった(※写真は台風19号ではなく、令和3年8月の大雨による災害査定時のもの)
同じく災害査定。これは現地ではなく「机上説明」の模様だ。国から派遣されてきた国土交通省の査定官と財務省の立会官(写真左)に、県の職員が説明をしているところ (※上の写真と同じく、令和3年8月の大雨による災害査定時のもの) 。

このような調査や協議、連携などを進めることで、台風19号の被害に対し、復旧事業を確実に進めることできたのがわかる。この後、実際に工事を担当する建設会社を決める入札が行われ、復旧工事が進んでいくことになる。 →【その2に続く(12/17更新予定)】