「防災インフラカード」配布中

砂防堰堤や護岸などの防災のためのインフラはもちろん、道路や橋、公共の建築物など、さまざまなものが「防災」の役割を担っている。

たとえば、道路であれば「緊急輸送道路」といって、災害が起きた際には避難や救助、さらには被災地への物資の供給などのため、緊急車両の通行を確保する役割を担ったものがある。もしこの緊急輸送道路がなければ、被災地から救助した人を運んだり、被災地に物資を運ぶのが困難になり、被災直後の緊急・応急的な対応ができないのはもちろん、その後の復旧・復興も遅れることになるのがわかるだろう。

また、大雨や地震などが起きた際に、災害が起きやすい場所を避けるためのインフラもある。こうした、災害時の被害をあらかじめ減少させるための取り組みを「事前防災」という。

建築物であれば、「防災拠点」として、たとえば文化施設が避難した人の受け入れ先となっているほか、被災した人への物資や情報の拠点となる役割も担っている。

実は、いまつくられているさまざまなインフラは、道路や施設といった本来の役割だけでなく、防災のための役割も持っているということだ。

こうした、あまり一般には知られていない防災の役割に注目し、道路や橋、施設、砂防堰堤、堤防などなどをカード化した「防災インフラカード」を、私たち『災害と建設ウェブ展』では制作し、配布を開始している。

もしかすると、あなたの家の前にある道が、この「防災インフラカード」になるかも……!?

現在、カードとなっているのは長野県塩尻市を通る「桜沢改良」と、下伊那郡松川町に架けられた「宮ケ瀬橋」の二つ。それぞれ、近くの道の駅や公共施設、学校などで配布されている。気になる方はご一報を。