地震の災害事例

長野県北部地震【2011年3月】

2011年3月12日に県北部の栄村などを襲った地震。東日本大震災の翌日に発生したもので、地震の規模を示すマグニチュード6.7で、最大震度6強を記録した。

本震の後、2時間以内に続けてM5を超える余震が2回続いて発生。村内全域で建物被害や斜面崩壊、道路の損傷、雪崩などが発生し、ライフラインも寸断された。

建設業による復旧

土砂崩れによりJR東日本飯山線のいくつかの区間で路盤崩落などが発生。復旧工事が行われ、4月29日に運転が再開された。

鉄道も被災し、1ヵ月以上運行停止となった

道路では国道117号の被害が大きく、栄大橋をはじめ多くの橋や道が被災し、全面通行不能となった。この地震を受けてすぐ地元の建設企業が現地に駆け付け、復旧を開始。飯山市の地元建設業の社長もそうして駆け付けた一人で、被災地の栄村に入った際のことを「自分たちだけではない、集まった建設企業の多くが、自衛隊や消防が入れるように、崩れるかわからない橋や道を進んだ」と振り返っている。

その後、栄村では、2015年まで約4年間かけて復興事業が進められた。県による2020年11月の県道箕作飯山線・明石大橋の開通をもって、県内の事業は一区切りを迎えている。この路線の完成により、被災時に代替路線のなかったこの場所に、緊急時の迂回路が確保されることとなった。

その後の影響

この地震の際、第1次緊急輸送路だった国道117号が被災し通行止めになったことから、代替道路機能の確保による災害に強い道路整備の必要性が再認識された。もともと県道箕作飯山線の栄村箕作から野沢温泉村明石の2キロメートル区間が交通不能区間となっていたが、地震の翌年から震災復興事業として道路築造事業が着手。2017年11月15日には栄村の箕作と平滝をつなぐ「箕作平滝大橋」が開通し、代替輸送路が確保された。

完成した箕作平滝大橋
工事中の写真。全長169メートル、幅員5.5メートルの3径間連続鈑桁橋としてつくられた

この区間を結ぶ橋は地域住民の悲願でもあり、箕作平滝大橋は復興のシンボルとなった。