噴火の災害事例

御嶽山噴火【2014年9月】

2014年9月27日に御嶽山で発生した噴火。

約1kmの範囲に噴石が飛散して登山客らを巻き込み、死者58人、行方不明者5人、負傷者59人を出す戦後最悪の火山災害となった。

建設の動き

国土交通省はこの噴火を受け、その日のうちに道路降灰除去を行うTEC-FORCE(テックフォース)応急対策班を派遣。路面清掃車3台、散水車2台を出動したほか、長野県側登山口3ヶ所で下山・救助活動のための応急対策班を派遣し、照明車3台を出動している。9月29日には噴火後の降灰に備え、路面清掃車2台、散水車3台、照明車2台、衛星通信車1台、ダンプトラック1台を待機。30日には路面清掃車2台、散水車1台を待機させた。


また、10月2日は長野県木曽町の鹿ノ瀬川に緊急的にコンクリートブロック積み砂防堰堤1基の設置準備作業に着手。新たな噴火やその後の降雨による土石流などの二次災害に対処するために必要不可欠なもので、1ヶ月を掛けることなく10月30日には完成に漕ぎつけている。


地域建設業からは、長野県建設業協会木曽支部が駆け付けた。


同支部では、木曽川の四つの支川に設置されている砂防堰堤にたまった土砂や石などを排出し、噴火によって土石流が発生し、流出しても堰き止めることができるよう備えた。また、土石流が発生した際に護岸を乗り越えてあふれ出ないようにするため、周辺の河川で大型土のうを護岸に配置して護岸のかさ上げを行った。

この他、同支部では噴火直後にさらなる被害がでないように、現地に向かうルートでの交通規制を警察が来るまで支援し実施している。

その後の影響

この災害を教訓に、国では「活動火山対策特別措置法」を一部改正し、火山災害警戒地域における警戒避難体制の整備や、火山専門家の育成・確保などを定めた。


また、長野県と木曽郡木曽町では、火山情報発信拠点「御嶽山ビジターセンター」を、県が御岳県立公園内に「山エリア」、町が山麓に「里エリア」として建設することを決定。災害を伝える遺留物や映像などを展示するほか、御嶽山火山マイスターなどの活動拠点にもなるもので、「里エリア」について2022年春の完成を目指している。